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皆さんは、この世ならざるものに興味はありますか?
幽霊だったり、妖怪だったり
視える人もいれば、視えない人もいますよね。
私は、全く見えません。
なんなら霊感も皆無(だと思う)ので「信じてる?」と聞かれた時は
「いてもいいなと思ってる。いるかどうか知らないけど」と答えるようにしています。
妖怪でもなければ幽霊でもない。
でも普通の人は見えない「なにか」
作中では、これを「蟲」と呼んでいます。
蟲は人に対して害をなすこともあれば、自然現象と一体化しているものもいます。
人に害をなす蟲を追い払ったり、捕獲したり、蟲について研究する人々。
それが「蟲師」です。
漫画の主人公「ギンコ」が、蟲師として旅先で会う人と蟲との関係に関わって、時には事件を解決したり、人の命を救ったりする物語。
今回は漫画「蟲師」を紹介します。
1999年に講談社『月刊アフタヌーン』の増刊号『アフタヌーンシーズン増刊』にて連載開始。同誌の休刊後は『月刊アフタヌーン』本誌に移り2003年から2008年まで隔月連載された。
作者は、漆原友紀先生。
単行本は、全10巻です。
時代背景は、作者本人が「鎖国を続けた日本」「江戸期と明治期の間の架空の時代」と話しています。主人公のギンコ以外の登場人物は、みんな和装です。
▼目次▼
蟲とは
「蟲」と言っても、私たちがよく見る「昆虫」とは違います。
蟲は「命そのもの」「生命の源」という表現をしていて、その説明が第1話で出てきます。
形は、紐状だったり植物や鳥のようだったり、雪の結晶みたいな蟲もいます。
意思や感情はありません。
しかし命は命なので、生きようとする本能や行動の本能はあります。
時にその行動で、結果的に人々を苦しめたり悩ませたりすることがあります。
ただ、漂っているだけのやつもいます。
この蟲については、視える人。視えない人。酔うと視える人。匂いは感じる人。など様々です。
蟲のせいで困っている人や、差別的になる人もいます。
でも反対に、蟲のおかげで生活が潤ったり、命が長らえたりする人もいます。
蟲とうまく共存している人もいます。
主人公「ギンコ」とは
主人公のギンコは、蟲を寄せ付ける体質のため、一つどころに長く留まることができません。
旅をしながら蟲について、ある目的のために研究しています。
また、各所で解決できない困ったことがあると「蟲の仕業かも」として事件解決のために派遣されます。
旅先でたまたま立ち寄った村で、事件を解決することもあります。
ギンコは、意外と正義感が強くて、蟲に困っている人を放っておけなかったり・・
蟲を利用して危険な行為をする村人に怒ったりと、ドライなようで熱血漢!
冷静なようでユーモアがあるので、クスッと笑える1コマもあります(笑)
ギンコと知り合う各所の村人は、老若男女で本当に色々な考え方があるし、考えさせられるような描写も多いです。
自然の摂理、蟲との共存、各々の人生観などなど。
読み終わった後に虚無感がある話もあります。
自信のない正義感や、犠牲者の上に成り立つ人生に苦悩する人・・。
それでも明日はやってくるし、自分の未来も村の未来も続いていく。
ハッピーエンドか、バッドエンドかは読み手が汲み取る話が多いように思いました。
こんな人におすすめ!
作品の形式は、1話完結型なので、短編集の感覚で読めちゃいます。
アニメになっていて、原作同様1話完結型。
長く続くストーリーが苦手な人でも、晩御飯の時に1話ずつ観る!ができます!
漫画は、影や植物の描き込みが程よい感じに細かくて読みやすいです。
アニメは蟲の世界観を表現する光が綺麗ですし、漫画に忠実なので、どっちも見やすいと思います。
こんな人には、けっこう刺さる作品かなと思います!
・自然現象
・不思議現象
・この世ならざるもの
・人生観を考える
・哲学的なことが好き
ちなみに、私が好きなお話は
●第2巻:露を吸う群れ
毎日、生き死にを繰り返す生き神の正体とその土地の人々の気持ちとは
●第4巻:虚繭取り
ウロという蟲が作った穴に迷い込んだ姉を探す妹。姉妹愛のお話
●第5巻:暁の蛇
蟲の影響で忘れたくないのに忘れていく記憶。でも本当は忘れてもいい記憶かもしれない
●第8巻:日照る雨
雨を降らす蟲に憑かれた旅の女。日照りが続き死者が出る村で彼女は
の、4つです。
よろしければ、読んでみてください!
電子書籍も、コミックスもあります〜♪
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